機能性ディスペプシア

(functional dyspepsia)



胃潰瘍や逆流性食道炎などは器質的疾患、すなわち組織や細胞が、変形、変性あるいは破壊され、形が変わってしまうような疾患をさします。これらは内視鏡検査で判明するのですが、これらが判明しなければ精神面の問題、気のせいになるのでしょうか?もちろんうつ病などの可能性もありますが、実は消化管の動きの問題で、このような症状が出現することがあります。

それを機能的疾患といい、上腹部不定愁訴を機能性消化管障害いいます

ちなみに下腹部の腹痛、便通異常を過敏性腸症候群といいます。

この原因には、心理的要因が大きく関与しています。具体的には、仕事などの生活のストレスや、精神心理状態、ストレス対処能力が低いことなどです。こういったものが、胃の運動機能、内臓感覚に影響し、不快な症状を生じさせます。

 

RomeⅢによるfunctional dyspepsiaの診断基準

心身症 診断・治療ガイドライン2006より引用

 

RomeⅢによる過敏性腸症候群の診断基準

腹痛あるいは腹部不快感が最近3ヶ月の中の1ヵ月につき、少なくとも3日以上を占め、下記の2項目以上の特徴を示すもの。
(1)それらの症状が排便により軽快する。
(2)症状の発現が排便頻度の変化を伴う。
(3)症状の発現が便性状(外観)の変化を伴う。

 *少なくとも診断の6ヶ月以上前に症状が出現し、最近3ヶ月間は基準を満たす必要がある。
 **腹部不快感とは、腹痛とはいえない不愉快な感覚を指す。病態生理研究や臨床研究では、腹痛あるいは腹部不快感が1週間につき少なくとも2日以上を占める者が対象として望ましい。


<Q&A>

Q1)薬以外で症状を良くする方法はありますか?

A1)心理療法として自律訓練法をおこなっていただいたり、ストレスコーピングのスキルを磨いていただいたり、色々方法はありますが、薬も勿論必要な場合もありますので、まずは主治医にご相談下さい。

Q2)内視鏡検査を受けずに診断してもらうことは可能ですか?

A2)確定診断は器質的疾患の除外が必要になりますので、確定診断をつけることは出来ません。

Q3)うつ病の身体症状との違いはなんでしょうか?

A3)うつ病であれば、必ずうつ病の精神症状(不眠、気分の落ち込み、焦燥感など)が出現します。また当科では診察に加え、心理テストも並行しておこない、うつ病かどうかを鑑別していきます。