本態性高血圧症

(essential hypertension)



高血圧症は約781万人の患者さんが存在しており1、そのうち腎臓、血管、内分泌系の異常によって引き起こされる二次性高血圧症を除いたものを、本態性高血圧症といいます。

実はこの疾患は心理社会的な要因も影響していることがわかってきています。最近の研究でタイプA(下記)の行動要素である時間切迫感/焦燥感と競争心、敵意性、不安、抑うつが高血圧の進展に影響していることが報告されています2

治療に心身医学療法が直接的に有効であるというエビデンスは少ないですが、米国合同委員会第7次報告3で、「治療・ケアの如何によらず、患者が治療プランに留まるよう動機付けられていない限り血圧のコントロールはできない。肯定的な経験、医師への信頼と(患者への)共感が患者の動機となり満足感となる。」といった記述がみられます。

このことから、医師患者関係の構築に重きをおく、心身医学的アプローチは

高血圧治療に有効ではないかと考えています。

 

1)厚生労働省平成17年患者調査の概況http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/05/05.html

2RuledgeT, Hogan BEA quanitative review of prospective evidence linking psychological factors with hypertension development.PsychosomaticMedicine 200264758-766

3Seventh report of the Joint National Committee on prevention, detection, evalutation, and treatment of high blood pressure. Hypertension 42 : 1206-1252,2003

 

タイプAとは?

アメリカの医師N.フリードマン(N.Friedman)が報告した心臓疾患(冠動脈疾患)を発症しやすい性格タイプです。以下の4つの特徴がみられます。

 

①攻撃的

②野心的

③競争心をあおる

④いつも時間に追い立てられている

 


タイプAは、仕事面での出世や昇給という報酬によって強化された、後天的に生得された行動様式であると説明されています。双生児を対象にした研究からは、タイプAのほとんどの要素は遺伝しないことが示されており、また、10年間にわたる追跡調査からは、タイプAは変化しにくく、一方でタイプB(マイペースでゆったりした行動をとるタイプ)の人の一部がタイプAに変化していくために、全体としてタイプAが年齢とともに増加しています。

 

心身医学標準テキスト第3版:p108109より引用